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インフレーションと社会化

【著者】 有澤廣巳 
【発行】1948年
【頁数】274ページ
有澤廣己(1896-1988)は実証研究を専門とした経済学者で、世帯主の収入が高いと配偶者の就業率が低くなることを明らかにした「ダグラス・有澤の法則」で知られる。

本書は終戦以降、1948年までに著者が書いた論文を集める。
「戦争は火遊びではない。…敗戦は一層厳粛な事実でなければならぬ。…事実、軍閥的=帝国主義的国家としての日本は一挙にして滅亡せしめられた」と冒頭に述べ、軍閥主義と抱合して発展してきた日本資本主義の「封建制」を払拭し、経済の「民主主義的建設」を行わなければいけないとする。

タイトルにある「社会化」もこうした文脈でとらえられるべきもので、経済関係から「私的支配」を排除するとともに、「官憲的国家統制をも…拒否」することを意味し、「大衆が自分たちのみを、自分たちの組織のみを信頼する」経済を基盤として日本経済の再建を進めなければいけない、とする。

とくに戦中から始まったハイパーインフレーションの分析と解決が、本書でも重要なテーマとなっている。

(底本:1948(昭和23)年10月25日発行 第1版)
予定価格 (PDFのみ):
2,200円(税込) 2,000円(税抜)
予定価格 (PDF+POD):
7,700円(税込) 7,000円(税抜)

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目次

第一篇

一 不可避的なもの―終戦直後における日本経済現段階の展望―
 一 何が問題か
 二 危機の四面相
 三 危機の理論
 四 危機を深めるものと救うもの?

二 日本インフレーションの問題
 一 インフレ―ションの実在
 二 問題の所在とその意義
 三 解決の道

三 日本経済の破局を救うもの―現実過程の分析―

四 危機突破の焦点―新片山内閣に望む―

五 ひとすじの道
 補論一 再建方策としてのインフレーション
 補論二 経営参加の問題

第二篇

一 社会化の理論のために
 補論一 三月ゼネストと社会化
 補論二 カップ・ブッチュと社会化

二 ドイツの場合と日本の場合―インフレーションの原因と収束について―

三 インフレーションと賃金―ドイツの場合と日本の場合―

四 一つの安定恐慌について
 補論 政策における理論
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