【著者】 高橋亀吉
【発行】1929年
【頁数】412ページ
欧米の経済理論をそのまま「日本の如き『後進国』に適用しようとする」ことを批判し、「先進国に於ける歴史の歩みと後進国に於けるそれとは依然少なからす事情を異にしている」として、幕末の封建制の崩壊と明治維新による「資本主義革命」から、その「行詰」が露わになる昭和初期までを描く。
論文を集めた体裁であった初版を、重複を避け一貫した記述のもとにまとめあげ、さらに不足していた部分の記述を付加。
著者は、日本における在野の経済評論家の先駆けともいうべき存在である。
(底本:1929(昭和4)年12月10日の初版)
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目次
第一章 幕末に於ける封建制度の倒壊
第一節 幕末封建制度倒壊の根本事情
第二節 幕末に於ける封建制度の自壊
(A) 封建制度の固定化政策と社会の頽廃
(B) 幕末封建制度の経済的破綻
(C) 幕末封建制度の財政的破綻
(D) 封建制度に於ける支配階級下級者の反抗
第三節 幕末封建時代に於ける資本主義の発逹と其位地
(A) 徳川封建制度内に於ける資本主義の発育
(B) 鎖国に由る資本主義の去勢と幕末経済の行詰
第四節 外国資本主義の厭迫と封建制度の破綻
(A) ペリー来朝と封建的階級制度破綻の曝声
(B) ペリーの来朝と封建的財政経済制度破綻の曝露
(C) 封建日本の改造と徳川の倒壊
第二章 明治維新の資本主義革命
第一節 維新資本主義革命の由爽と其特質
第二節 維新資本主義革命の進行
(A) 「開国」と資本主義革命
(B) 統一国家の出現と資本主義革命
(C) 人材主義の高唱と資本主義革命
第三節 資本主義的経済制度の樹立
(A) 職業の自由をもたらした諸制度の変革
(B) 交易の自由をもたらした諸制度の変革
(C) 移転及住所の自由をもたらした諸制度の変革
(D) 私有財産権の確認及尊重をもたらした諸制度の変革
第三章 我が資本制度初期の発達
第一節 資本主義制度の輸入移植
(A) 資本主義制度の輸入移植の内容
(B) 資本主義制度の輸入移植と旧武士階級
第二節 政府の資本制度発展政策
(A) 封建的保護干渉時代
(B) 所謂「自由放任」時代の展開
(C) 資本家的保護時代の展開
第三節 交換部門に於ける資本制度の発逹
(A) 貨幣経済の整備
(B) 金融制度の発達
(C) 交通制度の発達
第四節 我が農村経済の資本主義化
(A) 我が農村経済資本主義化の意味
(B) 維新の土地改革と農村経済の資本主義化
(C) 農村経済の交換経済化
第四章 我国産業革命の進展
第一節 我国産業革命の特質
(A) 先進告国の産業革命と後進国の産業革命
(B) 外国の刺戟と産業革命の早熟的影響
(C) 日清戦後に於ける産業革命来の意味
第二節 産業革命への準備的発展
第三節 産業革命来る
(A) 産業革命来の事実・
(B) 日清戦後産業革命来の原因
第四節 我が産業革命の進行
(A) 我が産業革命進行の産業別内容
(B 我が産業革命進行の質的内容
第五節 我が産業革命の国民経済に及せる影響
(A) 産業革命の商工業に及せる影響
(B) 産業革命の農村経済に及せる影響
(C) 産業革命と労働問題の擡頭
第五章 我国資本制度の成熟
第一節 我が国民経済の商工国化
第二節 生産及資本の集積及集中の史的発展
第三節 産業の資本家的支配及独占
(A) 大会社の産業支配の傾向
(B) カルテルの結成と市場支配
(C) 財閥コンチェルンの産業支配の傾向
第六章 我国金融資本の発逹
第一節 我国金融資本発逹の特性
第二節 銀行資本及預金の集中
(A) 銀行の増資及合同
(B) 銀行支店数の増加
(C) 資本及預金の集中
第三節 銀行資本の産業支配
(A) 我が銀行の産業支配の実情
(B) 金融資本と大財閥
第四節 資本家の政治的支配の確立
第七章 日本経済の資本主義的発展の行詰と階級対立の激化
第一節 第一段の資本主義的発展の行詰
(A) 従来に於ける発達原因の消解
(B) 資本主義の発達と矛盾の激成
(C) 支那工業の発達と其壓迫
第二節 第二段の資本主義的発展の困難
(A) 粗工業の行詰と精工業への進出難
(B) 直接消費品工業より生産用具工業への進展難
(C) 帝国主義的発展の行詰
第三節 我経済の資本主義的発展の行詰と階級対立の激化
(A) 資本主義的発展の行詰と生活難
(B) 資本主義的発展の行詰と労資対立の激化
(C) 資本主義的発展の行詰と我が農村問題の激化
(D) 知識階級の就職難と其経済史的意味