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人文地理学説史 方法論のための学説史的反省

【著者】 飯塚浩二 
【発行】1955年
【頁数】242ページ
飯塚浩二(1906-1970)は東京帝大経済学部に学んだ後、ソルボンヌ大学で地理学を専攻し人文地理学者となり、歴史学や比較文化論なども取りこんだ論考で、地理学のみならずさまざまな学問分野に影響を与えた。

本作はタイトルの示す通り人文地理学の学説史を扱っているが、単に学説の要旨を羅列するのではなく、いかなる方法論をとるべきかという強い問題意識のもとに書かれている。

ことに輸入学問としてこれを学ぶ我が国においては、西洋科学を支える科学的精神(イデオロギー)とは違う精神的風土の中にいることの自覚なしに研究を進めることは「独りよがりの概念遊戯、学問の戯画」にしか結びつかないと警鐘を鳴らし、「学説史的な反省」を行うことで自らを相対化することの重要性を強調する。

(底本:1955(昭和30)年5月15日発行 第1版第3刷)
予定価格 (PDFのみ):
1,760円(税込) 1,600円(税抜)
予定価格 (PDF+POD):
7,700円(税込) 7,000円(税抜)

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目次

地理学発達史
 1 はしがき
 2 古代人の地理学
 3 中世及びルネサンス
 4 近代の地理学・フンボルト及びリッターにいたるまで
 5 フンボルト,リッター以後の地理学の発達

地理学説史の諸問題
 1 フンボルトにおける合理主義的な自然観
 2 リッターの体系における目的論的見解の意義
 3 ペシェルの反発と地理学の対象としての人文的要素
 4 フンボルト補説・自然哲学者としての彼
 5 ラッツェルの新体系への途,ダーウィニズムによってもちきたされた思想的転回
 6 ラッツェルにおけるいわゆる「環境論」
 7 進化論の独逸的展開・ヘッケルの一元論
 8 ラッツェルによる人文地理学の課題と方法(1)
 9 ラッツェルによる人文地理学の課題と方法(2)
 10 ラッツェルの体系と歴史
 11 ラッツェルの体系と有機体説
 12 生物地理学的方法なるものの吟味

世界史と地理学
 1 「南蛮人の渡来」と「新大陸の発見」
 2 普遍主義と風土的相対主義
 3 歴史の解体
 4 地理的環境と生活様式

ゲオポリティクの基本的性格
 1 はしがき
 2 生活形態としての国家
 3 チェレーンと「政治地理学」のラッツェル
 4 チェレーンの体系におけるゲオポリティク
 5 国家有機体説と地理的決定論
 6 ラッツェルにおける地理的決定論
 7 チェレーンの立場・ゲオポリティクの遊離
Reflexions historiques sur le Progres de la Geographie humaine
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