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人権宣言論 外三篇

【著者】 ゲオルグ・イェリネック 著
     美濃部達吉 訳
【発行】1948年
【頁数】225ページ
本書は、ドイツの高名な公法学者ゲオルグ・イェリネック(Georg Jellinek 1851~1911年)の著した4篇を、表題については逐語訳、その他の3篇については大意を抄訳・紹介したもの。

・「人権宣言論」 Die Erklärung der Menschen- und Bürgerrechte
1895年ハイデルベルク大学にてまとめられたもの。
「フランス人権宣言」の根源はフランス殊にルソーの思想にあるとされてきたが、イェリネックは本論考において、ルソーの影響はあっても、その根源はアメリカ諸州の憲法にあると理解すべきと主張し、学界で激しい論争を巻き起こした。

・「少数者の権利」 Das Recht der Minoritäten
ウィーン法学会での講演を1891年小冊子にまとめたもの。

・「歴史上に於ける国家の種々相」
『一般国法学』Allgemeine Staatslehre の中の1章。

・「憲法の改正と憲法の変遷」
1906年出版された本書の紹介を、美濃部が法理研究会で行った談話の速記。

以上の4篇は、「社会科学叢書」(日本評論社、1929(昭和4)年)に一度所収されているが、本「法学叢書」への重ねての刊行について美濃部は、
「…訳文は拙くとも、原著は国法学及び政治学上の一大権威として不朽の価値を有するものであり、殊に平和的民主主義化の要求せらるる我が現在の政治情勢の下に於いては、参考とせらるべき価値極めて大なるものが有る…」(「はしがき」より)として喜んで応じたと書いている。

(底本:1946(昭和21)年7月20日発行 第1版第3刷)
販売価格 (PDFのみ):
1,760円(税込) 1,600円(税抜)
販売価格 (PDF+POD):
6,710円(税込) 6,100円(税抜)

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復刊済み

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目次

人権宣言論
一 人権宣言の法律史上に於ける地位
ニ ルーソーの民約論は人権宣言の淵源に非ず
三 人権宣言の模範は北アメリカ諸州の権利宣言に在り
四 ヴァジニア及び其の他の北アメリカ諸州の権利宣言
五 人権宣言と北アメリカ諸州の権利宣言との対照
六 北アメリカ諸州の権利宣言とイギリスの同宣言との差異
七 一般人権を法律に依つて規定せんとする思想の根源は北アメリカのイギリス殖民地に於ける信教の自由に在り
八 アメリカに於いて各種の人権を規定するに至りし由来
九 人権の思想とゲルマン族固有の法律思想との関係
少数者の権利を論ず
歴史上に於ける国家の種々相
 緒言
 第一節 古代東洋の国家
 第二節 希臘の国家
 第三節 羅馬の国家
 第四節 中世の国家
 第五節 近世の国家
憲法の改正と憲法の変遷
 緒言
 一 議会政府及び裁判所の解釈に依る憲法の変化
 二 政治上の必要に基く憲法の変化
 三 憲法上の慣習に依る憲法の変化
 四 国権の不行使に依る憲法の変化
 五 憲法の精神に於ける根本的変化、代議制度の過去、現在及び将来
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