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続民法雑記帳

【著者】 末弘厳太郎 著
【発行】1949年
【頁数】358ページ
本書は1940(昭和15)年刊行の『民法雑記帳』の続編にあたり、アジア・太平洋戦争を挟んで1949(昭和24)年に刊行された。前著と同じく、民法に関する様々な論点を取り上げた「法律時報」の連載「民法雑記帳」をまとめたものである。

翌1950年の「法律時報」1月号に川島武宜による本書の書評が掲載されたが(※)、川島はこの中で、本書は一見雑多な思いつきの寄せ集めのように見えるが、実は諸論文は相互に内的連関を持っており、その背景には末弘博士の法律学に対する基本的な考えを見てとれると指摘している。川島は、末弘の思想的地盤は「pragmatism」であり、この立場によると法律学は「現実の人間生活を規律するという実践的な任務をもつ法を、その目的にそうようにmanageするためにあるもの」として現れると説いている。

(※)川島武宜「末弘厳太郎著「続民法雑記帖」―末弘法学の理解のために」法律時報22巻1号

(底本:1949(昭和24)年8月20日発行 初版)
販売価格 (PDFのみ):
2,640円(税込) 2,400円(税抜)
販売価格 (PDF+POD):
9,240円(税込) 8,400円(税抜)

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復刊済み

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目次

一 民法學と民事政策
二 判例の法源性と判例の研究
三 法源としての條理
四 理論と立法者の意思
五 法律關係と道義則
六 事實たる慣習
七 法定の型と實在の事實
八 死亡の認定
九 實在としての法人と技術としての法人
一〇 機關關係の理論的考察
一一 公法人私法人の區別
一二 任意的記載事項の法律的性質
一三 人格なき社團財團の法人化
一四 團體財産と信託法理
一五 一般信託法形成の必要と其方法
一六 土地法綜合的研究の必要
一七 土地の概念
一八 土地の種類
一九 定義規定の解釋方法―天然果實の意義について―
二○ 考方の順逆
ニー 法定果實
ニニ 株式配當金と法定果實
二三 名義貸與者の責任
二四 時效期間の逆算
二五 立木の売買と民法第百九十二條
二六 消極的契約利益
二七 債務不履行と刑事制裁
二八 Clean hand の原則
二九 再びClean hand の原則について
三○ 不法行爲法の再編成
三一 不法行爲と「法なければ罪なし」の原則
三二 殺人と賠償額算定方法
三三 團體責任の原理
三四 家團の不法行爲
三五 裁判規範としての身分法と組織規範としての身分法
三六 家團と家と世帯
三七 家團財産の研究
三八 母の懲戒權

附録
法律と慣習
立法學に關する多少の考察―労働組合立法に關聯して―
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